<   2008年 01月 ( 1 )   > この月の画像一覧

2008年 01月 12日
その恐ろしい構造を知ってるか?
通勤通学に悩まされながらも学友たちの助けを借り、青息吐息で何とか乗り切った秋授業。
昨日の試験で(多分)無事に終了。

必須だから、とか単位を取り易いから、というのではなく純粋に知識・関心の空間的広がりを感じる。
だから極力教室授業には参加したい。
なんと言っても60分あたり500円台という激安価格は魅力だし。


アフリカの混迷と貧困の元凶を探るのが金曜の授業の大きなテーマの一つだった。
それは昨年度の夏に受講した現代地理分野の授業と基礎は同じで
輸出用換金作物への過剰依存構造に焦点を当てたものだった。
いずれの授業も対象は近代だったから、主に欧州列強と植民地各国しか登場しない。

昨夜その試験を追え、ぷらぷら駅前のレンタルディスク屋さんで手にしたのは「ダーウィンの悪夢」というドキュメンタリー映画だった。
東アフリカ、ヴィクトリア湖に放流された、たったバケツ一杯の外来種「ナイルパーチ」から始まった社会変化を追ったもの。
こんな映画を手にすること自体、以前では考えられなかった変化である。
空間的に関心が広がっていることの一例であろうか。

成長した外来種は固有種を駆逐し、爆発的に増え続けた。
その巨体に似合わず案外白身が美味だったことから、周辺ではこの魚に関連する産業が発達する。
漁業人口も増え、近代的加工工場では1000人もの雇用を生んだ。
国際空港には連日数便の買い付け貨物機が乗り入れる。魚は大人気。
主な輸出先はヨーロッパと日本である。

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tydt/id324304/ 


普段目にすることのない、グローバリゼーションの巨大な負の構造、負の連鎖の現実を突きつけられた。
欧州列強の帝国主義と周到に張り巡らされた搾取の罠を批判し、南米のとある国が辛くも工業化できたのは

「ヨーロッパと地理的に分断されていたことが大きい」

など呑気に解答用紙に書いていた自分にとっては非常にショッキングな内容だった。
なぜなら「目に見える諸悪」の根源であるその魚を、日本は喜んで食べているのだから。
現代にあっては、もはやかつてのような距離や地理的分断を超越して暴力に加担できてしまうという事実。


「クリスマスにアフリカの子供は武器を貰う。 
       ヨーロッパの子供は(南アフリカ産の)ぶどうを貰うんだ」

                              (輸送機パイロットのセルゲイ談)

日本は確かにヴィクトリア湖周辺に武器は送っていないだろう。
しかし彼の地の悪夢のスパイラルに大きく加担していることは事実である。
ナイルパーチ=「スズキ」の白身がのぼる我々の平和な食卓は、恐ろしい搾取と貧困と悲劇の上に成り立っていると
知る人はどれだけ居るだろう。
そしてまた例えば東南アジアの地域社会や生態環境を大きく破壊する養殖場から、安価な海老が大量に日本へ輸出されることをはじめ
決して我々が無自覚に加担する搾取が、海老や「スズキ」に限ったハナシでは・・・恐らく ないだろうことも。

産地周辺の諸問題を先進国側のお仕着せではなく、産地の「あるべき」社会体制を維持しつつ解決するべき、
というのはシンプルにして非常に重要、かつ明白な事実である。
それで資源が不足するならそれはつまり食べすぎってことで、消費側は我慢すればいい話。
現代世界の歪みの一つは、自然サイクルをドーピングし続けた結果であることに今、恐らく誰も異論はなかろう。
そしてこれは個人的好き嫌いの範疇でしかないのだが、同じ人類種が生まれ場所の偶然で
同じ人類種からの暴力によって辛酸を舐めざるを得ないなんてことは、到底不条理で許しがたい。
(コミュニスト~)
おまけにこんな現実を知ってしまった以上、「スズキ」を美味しく気分よく食べるなんて難しいじゃないか。

グローバリズムの甘い恩恵に浴しながら、エネルギーを喰うホットカーペットに転がりながら、
アフリカからやってきたコーヒーを美味しく飲みながらそう思うわけだ。




そしてもう少し、ぼんやり考えを巡らす。
産地の実態を知らずして、このさき猛威を振るうだろう中国大陸の貪欲さと強欲を批判することは到底出来ないだろうな、とも。
彼らは絶対そのあたりを反駁材料にしてくるに違いないから。 emoticon-0133-wait.gif
[PR]

by shioyebis | 2008-01-12 21:07 | のらりくらり日和 | Comments(0)